COLUMN 社長コラム

若き日の司法書士時代③

2022.08.29

多重債務の相談者の中には少数ですが

「高い金取りやがって!金返せどうせ俺は破産す

るじゃ!」と怒鳴りちらす中年や

「良いものを長く使いたいので、高いけどキャッ

シングしました。」

と悪びれずに身の丈に合わない買物をする女性

「風呂は家族が各自3回入れなおすので、光熱

費を抑えるのは難しいです」

と娘に甘い親父さんもいました。水道代がとんで

もないことになってました。

多重債務に陥る人は普通ではないお金の使い方を

しています。極端に所得が低いため生活苦でお金

を借りなければならなかったという人は少数でし

た。パチンコも多く、キャッシュカードの使い方

が毎日のように3万円を下ろし、その日中に2万

円返すという履歴が出てくるので分かります。

破産手続きや任意整理でどれだけの人が立ち直っ

たのかは手続きが終わると逃げるように去ってい

く人が多かったので分からないです。

自分の都合で高金利とは言え金を借りて2,3年

で破産することに疑問を感じることも多々ありま

した。

仕事の憂さを晴らすように週に何回も都町に行っ

ていました。そこで水商売を営んでいる友人がで

きました。彼らは私と違いとても遊び上手な人達

でした。お金にはルーズでしたが優しい人が多か

ったです。

今でもそのうちの何人かとは良い友人です。

 

私が当時、鬱屈した気分でいたところ、急に中国

に旅行に行くぞと言い出し半ば強制的に連れて行

かれました。

着いたのは旧満州帝国があった大連でした。

10年以上前の中国は日本より遅れていましたが、

とても活気に溢れていました。

ディスコやクラブ、違法マッサージや違法商品だと

思われる雑居ビル等、色々な所に連れて行かれまし

た。日本では考えられないですが、1週間ずっと

一緒に過ごす彼女?のようなサービスもありまし

た。

 

大連で必死に生きようとする中国人を見てその逞し

さに驚き、小さなことで悩んでいる日本人の自分が

バカみたいに思え、吹っ切れた感覚が湧き上がって

きたのを今でも覚えています。

自分は日本という平和な国に甘えていたのだなと

痛感しました。

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