COLUMN 社長コラム

日本の社会問題~ヤングケアラーについて

2022.06.18

先日NHKでヤングケアラーの特集がありました。

私はこれまでこの問題について考えたこともあ

りませんでしたので、この番組を見た時大きな

衝撃を受け、無知であった自分がとても情けなく

なりました。

ヤングケアラーとは、病気障害のある家族

親族の介護・面倒に忙殺されていて、本来受け

るべき教育を受けられなかったり、同世代との

人間関係を満足に構築出来なかった子どもたちの

こと。大人が担うようなケア責任を引き受け、

家族の世話全般(家事や介護、感情面のサポート)

を行っているため、家族ともに共依存の関係を築

いた18歳未満の子どもを指す。その子どもがケア

している者(共依存の相手)は、主に障害や病気

のある親や高齢の祖父母、兄弟姉妹などの親族で

ある。

(Wikipediaから引用)

 

この問題に真剣に取り組む青年がいます。

大空幸星さん(23歳・慶応大学4年)です。

彼自身がヤングケアラーであり、自殺まで考えた

経験があるようです。

先月著書を出されています。

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この問題は「望まない孤独」と「自ら望んだ孤立」

の違いを明白にし、懲罰的自己責任論が蔓延する

この国の病的な国民心理に異を唱える内容となっ

ています。

ヤングケアラーは「望まない孤独」であり、中学

生から親が死ぬまでたった一人で親の介護を行っ

ています。驚くべきことはその工程の中で

社会の誰からも救いの手がないということです。

日本社会は多くの分野において

「努力が足りなかったから自分が悪い」

という懲罰的自己責任論が主流になっています。

例えば普通の家庭に生まれたにも関わらず、

怠惰な人生を歩み全く将来設計を考えてなかった

という人は自己責任と言われてもしょうがない

かもしれません。

投資で大きな損失を出すのも自己責任だと思いま

す。国が金融教育をしてこなかったから国賠だと

言うのは行き過ぎでしょう。

人と関わるのが嫌いなので一生独身でいいと考える

のも自己責任の範囲です。

しかし、ヤングケアラーはどう考えても自己責任

で片付けるのは無理があります。

子供は親を選ぶことができません。

このような事まで自己責任で片付けるのは究極の

弱者切り捨て社会を促進することになります。

大空幸星さんはこの問題を独り善がりにならず、

客観的に分析しています。ロビイストは独善的に

なりがちですが、フェアな精神を持っています。

若いのに凄いと思います。

このような聡明で正義感の強い若者が少しでも

増えていくことを願います。

私はもうオジサンですが何かしら役に立てるよう

に考えたいと思います。

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