COLUMN 社長コラム
断熱材の比較~最も総合力が高いのは何?②
2020.10.31
インターネットの評判などを見ていると、セルロ
ースファイバーが人気があると感じます。
セルロースは新聞紙を原料とした断熱材です。
人気があると思われる理由は、殆ど欠点がない
という評価が多く書かれているからだと思います。
今回も前回と同様にセルロースのメリットとデメ
リットを書いてみます。
メリットは次の通りです。
①調湿機能があり、湿度の調整が自動で行われる。
②ホウ酸処理がされているので、防蟻効果がある。
③加工されている商品だと耐熱性を備えている。
④加工されている商品だと撥水性を備えている。
⑤遮音・吸音性能が高い。
断熱材に必要な機能は殆ど揃っており、性能面の
デメリットは無いと私も思います。
唯一のデメリットは価格です。
①価格がかなり高い。
②熱伝導率が0.04と高い。
③上記機能を備えていない粗悪品が存在する。
①については家の大きさによっては100万円
以上のコストアップになると思います。
②もコストアップの原因となります。熱伝導率
0.04というのは、高性能グラスウール16kの
0.038よりも低い性能です。
ツーバイフォーの壁厚は89mmなので、性能を
出すには絶対的な厚みが足りません。
ツーバイシックス又は外断熱工法が必要となり
ます。
もともとの施工費が高いことに加えて工法の変
更が必須となり、100万円では足りないこと
になります。
私は常々社員には言っているのですが、
「金を掛ければよい家が出来るのは当たり前
人件費を叩いて安い家を作るのはダメなやり方
住宅性能を落として安い家を作るのはダメなやり方
金ではなく知恵を絞って、よい家を作るのが工務店
の仕事」
だと考えています。
金は知恵を絞った後の最終手段です。
金を掛ければ何でも買えます。
金さえあれば誰でもできます。
土地建物で5000万円かけて良い家を提案しても
それを買えるのはごく一部の富裕者層だけです。
日本の富裕者層はわずか数パーセントです。
このわずかな層のための家造りだけでは、企業が
社会と環境に貢献しているとはいえないと思いま
す。
次回は私が知恵を絞って考えた、コストを殆どか
けずに住宅性能を飛躍的にアップする断熱材の紹
介をします。これがこの話題の本丸です。