COLUMN 社長コラム
若き日の司法書士時代④
2022.10.19
2010年末に中国の大連から帰ってきて新年が明け
ました。過払い請求や破産事件は多くの司法書士
事務所や弁護士事務所が広告宣伝活動を始めたこ
とから事件数が減ってきていました。司法書士は
元々は登記業務が本業であり、裁判事務は権限が
制限されているため、おまけのようなものです。
仕事も少なくなりどうしようかと考えていたとき
、一緒に旅行に行った友人が銀行マンを紹介して
くれたり、地道に営業活動を行い不動産会社や
企業の取引先も増え少しずつ登記業務が増えてい
きました。
個々の仕事にはかなり真剣に深堀して取り組んで
いたことも良い結果に繋がったのだと思います。
当時の私の仕事への姿勢は
- レスポンスは必ずその日中にする
- 相手が求めていることより上の動きをする
- チャンスがないか常にアンテナを張る
- フットワークは軽く、自ら率先して動く
- 周辺業務まで知識を増やすよう努める
- 利益率の低い業務は極力やらない
- 難解な事件は徹底的に調査をする
- かかってきた電話は即座に出る
というようなものでした。
この姿勢は現在の私の姿勢とは異なる点や欠けて
いる点がいくつかあります。
日々の業務は結構ハードなものになりました。
朝から夕方まで外回りで走り回り、家にいったん
戻って夕食を済ませてすぐに会社に戻り、書類作
成や難解事件の対策を行い、それでも間に合わな
いので土曜日も朝から書類作成や顧客の相談に応
じるというものでした。
会社分割や合併などでは税務まで調べ、工場抵当
法は古い本を買ってきて全て読み、投資事業組合
設立の質問に答えるためにわざわざ書籍を買って
調べたりと精度の高い仕事をするためにかなりの
時間を割いていました。
顧客からは数日前、酷い時には前日にスケジュー
ルを決められるため、県をまたぐ家族旅行のよう
なものはなかなかできず、新婚旅行にも妻を連れ
ていく事ができませんでした。子供を作るのも遅
くなりました。
24時間365日とまでは言いませんが、緊急事態に
備えて常に会社に張り付いているイメージです。
日曜日は何も考えたくない状態だったので、朝か
らパチンコ屋に並んで夜まで思考停止していまし
た。
顧客に電話した時に
・〇〇は1週間休暇を取っています。
・旅行に行ってるので帰ってきてからお願い。
・東京に経営戦略のセミナー行ってます。
と言われると、とても羨ましく思っていました。
特に東京に2泊程度出張し、新しいことを学ぶ
機会を得ている取引先の経営者が羨ましかった
です。
このような生活が36歳位まで続いていましたが
「自分は自営業者がいつも感じる将来への不安
払拭を重視するあまり、仕事を優先し過ぎて家庭
を犠牲にしたのか・・」
と痛感する事件が起きました。
(これは自営業者がよく陥るパターンです。)