COLUMN 社長コラム

今後住宅価格は下がるのか

2022.10.23

ご存じの通り日本は1990年初頭のバブル崩壊

からの35年の間、デフレ経済でした。

そのため「景気が悪くなったら物価が下がる」

今では皆が反射的に考えるようになっています。

このデフレマインドが直近で具現化したのが、

2008年のリーマンショックでした。

ECサイトで多くの商品が安売りされていました。

例えばエアマックスというスニーカーは定価が

15,000円のところ6,000円で販売さ

れている店舗もありました。1足買いました。

不動産価格も大きく値段が下がっていました。

東京の不動産会社から割安な(今考えれば)アパー

ト等の投資商品のDMが毎日のように会社に送ら

れてきましたし、ポータルサイトにも値下げに

よって割安な建売住宅が販売されていました。

2023年以降日本は世界と同じように、

本格的な景気後退に陥る可能性が高いと考えられ

ています。

景気が今以上に悪化しても、今までのように物価

が下がるとは考えにくい理由を今回説明します。

上の表は、リーマンショックと今回を比較した

ものになります。

2008年では円高インフレ率の下落により

輸入物価が大きく下がったことで安く商品を購入

することができました。

2022年以降では円安インフレ率の上昇

同時に起こっているため輸入物価が上昇し、景気

が悪化しても商品が安く買えるどころか値上がり

する形となっています。

インフレ率の上昇は世界的なものですが、円安は

日本固有のものとなります。

円安の根本的理由は財政ファイナンス(国債を日銀

が円を新発して購入すること)による日本国債の

乱発経常収支の赤字化です。

アベノミクスにより日銀の国債保有残高は

約500兆円となっています。

上記2つの問題は35年間の日本国全体の怠慢な

姿勢によって引き起こされたものであり、短気で

解決できるものではありません。

米国2年債金利の対日本乖離率によって円安が起

きているのは短期的な理由であり、

多くの通貨に対して長期的な円安トレンド

なる可能性が高いと考えられます。

世界的なインフレ率上昇はどうでしょうか?

インフレを沈静化させるためには、物が売れなく

なり、給与が下がり、失業者が増える必要がある

ので政策金利を上げただけですぐにインフレ率が

下がるものではありません。

景気が悪いのに物価が上がる。。

これが社会の教科書に載っていたスタグフレーシ

ョンとなります。

よって今回の不況では価格は下がらないというこ

とになります。ただし価格というものは上下変動を

繰り返すものですから一時的に少し安くなる時期

はあります。

住宅価格が下がるのは、事業者の資金繰りが悪化

し倒産リスクが上昇するときになります。しかし

この状態では事業者は金を回すことだけしか考え

てないので、高品質な商品を作ることはしません。

事実2008年頃に建築されたRCマンション等は

品質が低いものが散見されます。

これからの日本経済において、低価格で高品質な

商品を開発するためには3Dプリンタ等の大きな

イノベーションが起こらない限り難しいと思いま

す。

住宅購入を検討している方は、本格的なスタグフ

レーションが起きる前に購入することを勧めます。

予算については資産形成が可能な範囲としましょ

う。予算が分からない方は週末開催のライフプラン

セミナーを受けてみて下さい。

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